実用回路集 電源回路

シリーズ型やスイッチング型などの電源回路を紹介しています。

目次

  1. 3端子レギュレータ電源(78**使用)
  2. 電圧を可変できる電源(317/337使用)
  3. トランスを使用した電源
  4. トランジスタで作る簡単な電源回路
  5. 専用ICによる昇圧スイッチング・レギュレータ(1)
  6. 専用ICによる昇圧スイッチング・レギュレータ(2)
  7. 専用ICによる降圧スイッチング・レギュレータ
  8. 仮想グラウンド生成回路
  9. 小型にできる昇圧電源回路

3端子レギュレータ電源

3端子レギュレータ電源 左に示すのは定番と言われる3端子レギュレーター 78**を使った電源回路です。

出力電圧は、5V,12V,24Vなどいろいろな電圧があります。**の部分に出力電圧が入ります。また78の前にはメーカー名の文字がはいります。
最も簡単な回路ですが、78**というICは、入力電圧が出力電圧より3V以上高くないと、正しい電圧が出ないことと、入力電圧と出力電圧の差が大きいと熱となってしまうことが難点です。

78**以外にも3端子レギュレーターICがあります。48**シリーズなど電位差が3Vでなく0.6Vで動作するものもあります。
ICのパッケージはTO-220やTO-92、表面実装パッケージなどとあります。一般的に大きいパッケージのほうが電流容量は大きくなります。

C1とC2はデータシートを参考に決めます。これがないと発振することがあります。場合によっては0.1uF程度のセラミックコンデンサも付ける場合があります。
このICは、いろいろなメーカーから互換品が製造されています。


電圧を可変できる電源

電圧を可変できる電源 左に示すのは電圧可変レギュレーターIC LM317を使った電源回路です。LM317は2本の外付け抵抗により出力電圧を可変できます。
LM317は正電圧出力で、LM337は負電圧出力です。

出力電圧はVout=1.25×(1+R1/R2)

で求まります。R1は固定した抵抗値(120Ωの場合が多い)で、R2を変えて出力電圧を変えることが多いようです。

また、R1とR2の抵抗値が高いとADJ端子から出る微小な電流によって出力電圧が計算通りにならないことがあるので、抵抗値はどちらも5以下がよいでしょう。

このICは、いろいろなメーカーから互換品が製造されています。

※「電子回路計算シート作成」でこの計算シートを紹介しています。LM317/337出力電圧計算機へ移動


トランスを使用した電源

トランスを使用した電源 左に示すのは、トランスを使用した簡単な直流電源です。AC100Vの商用電源からDC12Vの直流電圧が得られます。もちろんU1を変えると出力電圧が変わります。

T1でまず電圧を下げ、BD1で整流して、U1で安定させています。C1〜C4は電圧の安定化のためです。C1はなるべく容量が大きいものが良い(1000〜4700uF程度)です。
この回路の場合、ICの入力電圧は3V以上なので、ブリッジダイオードの電圧降下(1V程度)も含めるとトランスの2次側電圧は18V程度が良いでしょう。ただしICの電圧が高いとその分ICの発熱も多くなるので、放熱対策が必要になります。


トランジスタで作る簡単な電源回路

トランジスタで作る簡単な電源回路 左に示すのは、トランジスタと抵抗数本で作れる電源回路です。
出力電圧は
R1とR2の接続点の電圧−約0.6V で求まります。(実験済み)
R2のかわりに、ツェナーダイオードを使った回路も見かけますが、その場合は
ツェナー電圧−約0.6V で求まります。

簡単に作れますが、短所としては、
1.入力電圧が変わると、出力電圧も変わってしまう。
2.出力させる電流が多いと、発熱が多くなる。
抵抗2本で分圧している場合は、ノイズの影響を受けやすい回路などに使用できます。


専用ICによる昇圧スイッチング・レギュレータ その1

専用ICによるスイッチング・レギュレータ その1 (2009年3月22日追記)
左に示すのは、入手しやすいスイッチング・レギュレーターIC TL497AC(テキサス・インスツルメンツ)で作る昇圧回路です。
このICには、スイッチング・レギュレーターに必要な回路がほとんど入っているため、少ない外付け部品で作ることが出来ます。

出力電圧設定用抵抗は、(出力電圧−基準電圧)で求まります。基準電圧は、1.2Vです。他の部品の定数は計算で求められますが、詳しくはデータを参照してください。
出力電流が500mA以下の場合はこのままで使えますが、それ以上の電流ではトランジスタを外付けする必要があります。
このICの11、12番端子は内蔵トランジスタのベース側につながっていますが、回路のテスト目的のためのもので、実際の回路では使用できないようです。


専用ICによる昇圧スイッチング・レギュレータ その2

専用ICによるスイッチング・レギュレータ その2 (2009年3月22日追記)
左に示すのは、入手しやすいスイッチング・レギュレーターIC TL499ACP(テキサス・インスツルメンツ)で作る昇圧回路です。
 このICは、少ない外付け部品で昇圧回路を作ることができます。

出力電圧は、基準電圧×(1+(Rx/R102))で求められます。基準電圧は1.26Vです。R1は推奨値の1、R102は推奨値の4.7とします。コイルは100〜220uHの範囲で使用できるようです。

また、このICは、シリーズ・レギュレーターも内蔵されていて、降圧と昇圧を自動的に切り替えることが出来るようです。詳しくはデータを参照してください。


専用ICによる降圧スイッチングレギュレータ

専用ICによる降圧型スイッチングレギュレータ 左に示すのは、スイッチング・レギュレーターIC TL497ACP(テキサス・インスツルメンツ)で作る降圧回路です。

全体的には、前述のTL497による昇圧回路と同じですが、降圧レギュレータなのでコイル、内蔵トランジスタ、ダイオードの向きなどが異なります。

出力電圧はR1,R2で設定しますが、R2は推奨値が1.2なので実際はR1で調整することになります。出力電流が500mA以下の場合はこのままで使えますが、それ以上の電流ではトランジスタを外付けする必要があります。


仮想グラウンド生成回路

小電流向け仮想グラウンド生成回路 左に示すのはOPアンプなど両電源が必要な場合に、電源電圧の1/2の仮想グラウンドを生成することのできる回路です。(レール・スプリッタ)

原理としては、R1とR2で電源電圧の1/2の電圧を生成し、OPアンプによる電圧フォロワ回路で出力インピーダンスを低くしています。OPアンプを入れているので分圧抵抗値を高めにできます。C1は電圧の安定化の役割があります。
OPアンプの出力にコンデンサが存在すると発振の原因になるので本来やってはいけないのですが、対策として出力端子に数百オームの抵抗を入れるなどの対策で抑えることになります。

これらの回路が入った仮想グラウンド生成用ICも市販されています。具体的には、テキサス・インスツルメンツ製のTLE2426などです。

ただし、これらの回路は大きな電流容量はなく(数十mAほど)、電圧フォロワとして使用するOPアンプの負荷電流程度までとなります。より大きな電流が必要な場合は、トランジスタによるバッファ回路を追加します。


小型にできる昇圧電源回路

小型にできる昇圧電源回路 左図に示すのは、昇圧電源ICのHT7750A(HOLTEC)を使用した小型にできる昇圧電源回路です。出力電圧は固定で、HT7750は5V出力です。
このICは、コンデンサ2個、コイル、ダイオード(SBD)各1個の外付け部品のみで動作し、ICもTO-92パッケージと小型です。

また、入力電圧は0.7Vで動作して電流も少ないので、乾電池1本やソーラーセルなどを電源にすることができます。

出力電圧は2.7V、3V、3.3V、5Vがあります。パッケージはTO-92や表面実装パッケージなどです。
コンデンサはタンタル・コンデンサを使用するように指定されていますが、普通の電解コンデンサが使用できるかは不明です。